下咽頭がんとは

下咽頭がんとは、下咽頭に悪性の腫瘍ができる病気です。
頭頸部がんの約1割を占めていて、50歳以降の男性の発症率が増加しています。
原因はまだ医学的に解明されていませんが、飲酒や喫煙による免疫力の低下が関わっていると考えられています。
また、下咽頭がんの中で輪状後部に発症するものは、慢性的な鉄欠乏症貧血の女性に発生する割合が高くなっています。

下咽頭がんは頭頸部の中で一番治療しにくいがんとされています。
生存率は全体で約30〜50パーセント。
初期状態は約70パーセントありますが、進行がんが多いため進行してしまうと、約30パーセントと低い数字になってしまいます。

下咽頭がんの症状

下咽頭がんの初期症状には、物を飲み込む時に違和感があったり、痛みを感じます。
のどの違和感には咽喉頭異常感症という病気もありますが、この病気は飲み込む時以外にも症状があらわれます。

下咽頭がんが進行すると痛みが激しくなり、耳の奥あたりにも放射的に痛みが広がります。
がんが大きくなり、咽頭まで達すると声がかれてしまったり、呼吸困難に陥る場合もあります。
また、頸部リンパ節に移転し、頸部が腫れてしまいます。

下咽頭がんの診断

耳鼻咽喉科で下咽頭がんの診断を行う場合、関節喉頭鏡やファイバースコープを口から入れて観察します。
疑わしい場合は組織を採取して病理検査を行います。
進展範囲を確認するには透視X腺撮影、CTスキャン、MRIなどを行います。

また、硬性食道検査では全身麻酔をかけて行われます。
全身への転移を診断するには、ガリウムシンチグラフィー、FDG-PET検査などの核医学診断が行われます。

下咽頭がんの治療

下咽頭がんの初期症状の治療には、放射線治療が行われます。
進行している場合は手術を行い、放射線治療や抗がん剤投与などを併用し、治療効果を上げています。

下咽頭がんの手術では解剖学的位置関係のため、がん細胞だけでなく喉頭や食道の一部を摘出する必要があります。
喉頭を摘出すると声帯も失ってしまうため、声が出なくなってしまいます。
食道の一部を摘出した場合は、筋肉や皮膚、小腸の一部を移植する再生手術を行う必要があります。

また、食道にも転移していた場合は食道を摘出し、胃の一部を移植して再生を行います。
頸部リンパ節に移転していた場合は頸部郭清術という手術が行われます。